初めてのDTM

DTMとか、Studio One とか、楽譜の読み方とか、スケールとか、コードとか、いろいろ備忘録。

色んな音源を評価した結果、結局、自分ではどう使うか。

【クリアな音で抑揚を効かせたい場合-その①】

右手は Keyzone Piano
Velocity は 10~46
Volume は とりあえず -1db でやってみよう

左手は Steinway Piano
Velocity は 47~83
Volume は とりあえず -6db

(追記)これはとても良い音になるんだけど、Velocityの調整時にバーの高さが違い過ぎて、むちゃくちゃやり難い。Volumeを変えてもだめ。


【クリアな音で抑揚を効かせたい場合-その②】

右手は Keyzone Piano
Velocity は 10~46
Volume は とりあえず -1db でやってみよう

左手は Presence Studio Grand
Velocity は 右と同じ具合になるように調整
Releaseを少し長くすると右手とのバランスが良さそうだ。

(追記)CROSS ROADがこのパターン


【クリアな音で力強く弾きたい場合-その①】

右手・左手、両方とも Steinway Piano
Velocity は 47~83
Volume は とりあえずデフォルトで良いんじゃないかな。

(追記)ボクノートがこのパターン。


【ソフトな音色で抑揚を効かせたい場合】

右手・左手ともに Salamander Piano
Velocity は10~90
Volume はデフォルト


【軽快にしたい場合】

右手・左手ともに Skerratt London Piano
Velocity は10~90
Volume はデフォルト


【極端にソフトにしたい場合】

右手・左手ともに VSCO2 Piano
Velocity は10~90
Volume はデフォルト
(追記)音色が同じなVelocityの帯域はもう少し狭い。どこかで「キン」となる。また、小さい方でも音がいきなりソフトになるポイントがある。「ハナミズキ Super Melolow Ver.」を参照のこと。



DTMで使える無料のピアノ音源のことを色々と調べてみたので、せっかくなので、ご紹介してみたいと思います。

僕は「PreSonus」というベンダーの「Studio One 4 Professional」というDAWを使っているんですが、付属音源の「Presence」に入っているピアノの音の中に、どうも気にいったものが見つかりません。

でも、どうやら世の中には、3rd Party のベンダーが作った無料のピアノ音源がたくさんあることが分かりました。Googleで 「フリー ピアノ vst プラグイン」とか「
Free Piano vst Plug-in」 などのキーワードを入れて検索すると、色んな人が書いた記事が見つかりました。。

例えば、こちら ↓
【2020】フリーのピアノ音源15選!無料で使えるVSTピアノ・エレピ
Googleで検索すると、こういう記事がたくさん出てきます。まぁ、僕が今書いているこの記事もその中の一つですね。

英語に抵抗がなければ、日本語の記事よりも、英語の記事や動画の方がたくさんあるので、ぜひ、英語版の検索エンジンを使って、検索してみてください。

僕はとにかく、片っ端から、VST Plug-in をダウンロードして、Studio One に取り込んでみました。30個ぐらいの Plug-in を インストールしてみましたが、僕のやり方が悪いのか、パソコンとの相性が悪いのか、DAWとの相性が悪いのか、実際にインストールして音が出たのは17個でした。僕のパソコンは、Windows の 64bit のものなのですが、32 bit 版のものは、基本的に動かなかったですね。



まずは、それぞれの Plug-in をご紹介する前に、DTM初心者ながらも、僕が一生懸命に工夫して作ったやつを3曲ぐらい、ご紹介しますね。右手パートと左手パートで別の音源を使ったり、Reverb をかけたり、そんなことをしています。ざっと聴いて頂ければ、それ以降のピアノ音源を聴く上での「基準」みたいなものになるかなって思います。

【デモ伴奏





さて、ここから、各本源の音をご紹介していきますね。様々な記事で、デモ音源を聴くことは出来たのですが、やはり、同じ曲を聴いてみないと、比較が出来なくて、自分で実際に弾いてみました。各音源とも以下のように3曲ずつのプレイリストを作ってあります。
  1. 一曲目は、曲というよりも音の確認です。各音源がどのくらいの音程の時にどのような音色になるかを確認するために、C4 → C3 → C2 → C1 の順番で音を鳴らしてます。また、Velocity(音量)によって音がどのように変化するかを確認するために、各音程で 10% → 20% → 30% ・・・ 80% → 90% → 100% というように音を大きくして行っています。聴いて頂ければ、どういうことか、すぐに分かると思います。
  2. 二曲目は「花は咲く」という曲の伴奏を弾いています。この曲は、東日本大震災の復興支援ソングですね。曲調的に、たぶん柔らかいピアノの音の伴奏が似合うと思います。
  3. 三曲目は、Superfly の「愛をこめて花束を」の伴奏を弾いています。これは、「花は咲く」よりも少し硬めのピアノの音が似あうように思います。
紹介の順番を好きな順にするか、好きじゃない順にするか、どちらにするか迷いましたが、好きじゃない順にすることにしました。全17個の音源をご紹介するので、第17位からですね。


それでは、栄えある(?)第17位は!
<Resonance>
Resonance
ADSR のつまみの他にもたくさんのつまみが付いています。 ADSR とは、大雑把に言うと、音の減衰の仕方をコントロールするパラメーターのことです。リンクを貼ってあるので、詳しくはリンク先の記事を読んでくださいね。

さっそく、音を聴いてみましょう。


この音源が、なぜ第17位かというと、どうやっても音が滑らかにつながらずに、ぷつぷつと途切れてしまうからです。

ピアノの音と言うのは、鍵盤を押した直後に一番大きな音が出て、その後に音は減衰していって徐々に小さくなっていき、最終的には無音になる訳ですが、この時に余韻が発生しますよね。

ADSR の S (Sustain) で決められた音の大きさから、R (Release) で決められた時間の長さの間、音は徐々に小さくなって、最終的に音が消えて無音になります。これが余韻な訳です。

しかし、この音源は、Release の時間が最長になるようにつまみを右に最大限ひねっても、余韻が発生しないんです。何が起きているかと言うと、Sustain で決めた音の大きさから、音が一瞬でぐんっと小さくなって、Release の時間の間、もの凄く小さい音だけが尾を引いているんです。その結果、音と音の間に隙間が空いているように聴こえてしまって、滑らかに弾くことが出来ないんですよね。

やたらとつまみがたくさん付いているので、あらゆるつまみをいじってみましたが、どうやっても滑らかに弾くことは出来ませんでした。僕が思うに、この音源は、おそらくピアノ単独での演奏を想定して作られたものではないんだと思います。

あと、ピアノの音の後ろで、なんだか時計が秒針を刻むようなノイズが入っていますね。このノイズもこのピアノ音源が発しているものです。

この音源は、Sample Science というベンダーが作っているようです。他にもたくさんの有料音源や無料音源を出しているようです。もしかしたら、この音源を使う用途を思いつく方がいるかもしれないので、ダウンロードページのリンクを貼っておきますね。




次は第16位です!
<99Sounds Upright Piano>
99Sounds
コントロールパネルには、左側に Attack と Release のつまみが付いていますね。ちなみに ADSR の別名は Envelope と言います。基本的にピアノの場合には Attack はゼロにしておきます。そうしないと、オルガンとかシンセサイザーみたいな音になってしまいます。なので、 Attack のつまみをいじる必要はないですね(と言うか、ピアノの伴奏を作りたいのであれば、Attack はゼロにしておかないとダメです)。Release のつまみを右に回すと、音の余韻を長くすることが出来ます。

中央に TREMOLO というつまみがありますね。いじってみたら、音を歪ませるようなエフェクトでした。ピアノを弾く上では、特に必要がないつまみです。

右側には EFFECTS というつまみが付いていますね。一番右の REVERB というつまみは、エコーをかけるエフェクトです。その左隣に DAMPEN というつまみが付いてますね。いじってみましたが、音が大きくなったり、小さくなったりするだけで、VOLUMEと何が違うのか、よく分かりませんでした。

では、音を聴いてみましょう。


音を聴いたら、とても綺麗な音ですね。なんか良さげじゃない?って思いましたが...

「花は咲く」と「愛をこめて花束を」の伴奏を聴いてみましょう。決定的にダメな点が見つかりました。それはノイズです。なんだか、大昔のタイプライターを叩いているようなノイズが発生していますね。どのつまみをいじっても、このノイズを消すことは出来ませんでした。音自体は綺麗なだけに、残念ですね。

この音源は 99Sounds というベンダーが作っています。他にもたくさんの Effects や Plug-in も作っているようです。無料のものも多いようです。僕はピアノ音源を探しているので興味はありませんが、ドラムの Plug-in とかなかなか良さそうでしたし、Sound Effects とかも、とても面白かったです。これだけのものを無料でダウンロードできるって、太っ腹なベンダーですね。

さて、僕は使いませんが、このピアノ音源のダウンロードページのリンクを貼っておきます。




第15位!
<City Piano>
City Piano
ADSR だけが付いている非常にシンプルなコンパネですね。僕は個人的に、こういうシンプルなコンパネが一番好きです。

さて、音を聴いていましょう。


う~ん...これは、ちょっと音がチープ過ぎて、僕はあまり好きじゃないです。でも、音の好みは人それぞれですから、ダウンロードページのリンクを貼っておきますね。




第14位!
<VS Upright 1 by Versilian Studios>
VS Upright Piano
ADSR と Reverb と Volume と Panorama だけが付いている非常にシンプルなコンパネ、良いですね。



音を確認してみましょう。

Velocity が 60% と 80% の所で、音色が大きく変わるのが分かりますでしょうか? この音源は Velocity が小さい所ではこもった音、Velocity が大きい所ではキンキンした音になるんです。

実際の伴奏を聴いてみても分かります。こもった音の中に突然キンキンした音が入ってきますよね? Velocty によって、こんなにも音色が変わってしまう音源は、僕はあまり好きじゃないですね。

60%ぐらいまでの 小さい Velocity の音は、「柔らかい音」って言う感じで悪くはないと思うので、小さい Velocity 限定で使用するって言う使い方もなくはないですが、「柔らかい音」で、もっと良い音は、この後もたくさん出てきます。一応、お約束としてダウンロードページのリンクを貼っておきますね。


ちなみに、この音源を作っている Versilian Studios というベンダーは、主にオーケストラの音源を得意としているようです。オーケストラで使用する様々なクラシック楽器の音源では定評があるベンダーみたいですよ。



第13位!
<Neo Piano>
Neo Piano
コンパネには、もの凄くたくさんのつまみやスライダーが付いてますね。ちょっと複雑すぎて、どこをいじれば、音がどう変わるのか、覚えるまでに相当の時間を要するような気がします。Preset がたくさん用意されているので、各 Preset の音の中で好きな音を探すのも良い方法だと思います。



音の確認をしてみましょう。

何か、Velocity 10% の時点で結構音が大きくて、100%までの音量の変化も小さいような気がしませんか? 

伴奏では、Velocity をかなり変化させているのですが、僕には、なんとなく抑揚のない単調な伴奏に聴こえてしまうんです。Velocity の設定は、他の音源と全く同様にしてあるので、この Neo Piano は Velocity による音量の変化が小さいので、そう感じるんでしょうね。

ピアノ音源の紹介をしているサイトでは、この音源はおおむね高評価なんですけど、個人的には、この音源は「いかにもコンピューターが作った音」っていう感じがして、あまり好きになれないんです。

それから、コンパネの右上に Release のつまみが付いているのですが、これがほぼ機能しません。一番右側までつまみをひねっても、余韻が生まれないんです。僕はもうちょっと余韻が長い方が好きなんですよね。たくさんあるつまみやスライダーをいじれば、余韻を長くできるのかもしれませんが、いくつかの Preset を聴く限り、どれも余韻が短い感じがしました。

DTM上級者の人は、もしかしたら、それぞれのつまみやスライダーの意味がちゃんと分かって、素晴らしい音を作り出せるのかもしれませんが、僕はそこまでしてこの音源を使いたいとは思いませんでした。

ダウンロードのページをご案内しようと思ったんですが、すいません、それが見つかりません。確か こちらのページ  から Download したと思ったんですが、Free の Plug-in の Download ボタンがどうしても見つからないんですよね。$299の有料のやつは見つかるんですけどね... もしかしたら、Sound Magic というベンダーが、無料の音源を廃止しちゃったのかもしれません。すいませんが、ご自分で探してください。m(_ _)m



第12位!
<VSCO2 Upright 1>
VSCO2 Upright 1
なんか、高級感のあるコンパネですね。でも、実は ADSR と Reverb と Volume と Panorama という非常にシンプルなつまみだけしか付いてないので、僕の好きなタイプです。



音を聴いてみましょう。

この音源は、第14位の「VS Upright 1」と似たような傾向が見られます。Velocity が小さい所ではこもった音、Velocity が大きい所ではクリアな音になります。

大きな Velocity の時のクリアな音は、僕は結構好きなので、「VS Upright 1」よりもランキングが少し上です。

でも、クリアな音の音源は、この後に、もっと良いのが出てきます。一応、お約束として、ダウンロードページのリンクを貼っておきますね。




第11位!
<Iowa Piano>
Iowa Piano
ADSR と Volume と Panorama という非常にシンプルなコンパネが良いですね。



音を確認してみましょう。柔らかくて、優しくて、とても良い音色ですね。

しかし残念ながら、第14位の「VS Upright 1」および第12位の「VSCO2 Upright 1」と似たような傾向が見られます。Velocity が小さい所ではこもった音、Velocity が大きい所ではクリアな音になります。それは特に、C4、C3 と言った高音域から中音域にかけて顕著です。やはり、伴奏を弾くと音がこもったり、いきなりクリアになったりして、非常に不自然な伴奏に聴こえますね。

それから、C2、C1 と言った低音域において、Velocity を大きくするとぷつぷつというノイズが発生します。左手パートで、そんなに大きな Velocity を使う機会は多くないと思いますから、あまり気にしなくても良いかも知れませんが。




さて、いよいよ、ここからは Top10 の発表です。

第10位!
<4Front Piano>
4Front Piano
コンパネを見れば一瞬で分かりますが、この音源は一切の設定変更ができません。音源そのままの音、それ以外は何もありません。

では、音を聴いてみましょう。


クリアで、とても綺麗な音色ですね。これは凄く良いのではないでしょうか。個人的には、余韻の長さが少し短い気がするので、バラード系の曲ではなく、アップテンポな曲の伴奏で使おうかなぁと考えています。ただ、一切の設定変更が出来ないのは少し寂しいですけどね。


発売元のベンダーである yohng.com は、無料のエレピ音源も公開しているので、興味のある方はベンダーのサイトで探してみてください。



第9位!
<DPiano-A>
DPiano-A
つまみがたくさん付いてますね。いじってみて意味が分かったのは、左下の SOUND の下にある4つのつまみです。音の硬さをコントロールする Hardness、高音域のくっきり度合いをコントロールする Treble、それに Decay と Release ですね。

他のつまみは、すいません、よく分かりません。例えば、右上の VELOCITY CONTROL の所のHardness および Treble は、左下の SOUND の所にもある Hardness および Treble と何が違うんだろう?

この音源には、8つの Preset が用意されているので、ぜひダウンロードして、それぞれの Preset の音を聴いてみてください。その方が早いです。



とりあえず、一個目の Preset が デフォルトということだと思うので、それの音を聴いてみましょう。

僕の好みを正直に申し上げますと、この音源の高音域の音は、あまり好きではありません。
「いかにもコンピューターが作った音」っていう感じがして、人間味が感じられません。

でも、低音域の音がとても好きです。音に重厚感があって、かつ「くっきり」しているんですよね。なので、左手パートで、この DPiano-A を使って、右手は別の音源を使うっていう使い方をしようかなぁと思ってます。実際、一番最初にご紹介したデモ伴奏の「愛をこめて花束を」の左手は、この DPiano-A を使っています。

この音源には、もう一つ素晴らしい点があって、自分がつまみをいじった設定を保存しておくことが出来るんです。具体的な使い方としては「この3番目の Preset の音は、かなり僕のイメージに近いなぁ。でも、あと少し音が柔らかくてもイイかな。」というシーンがあったとしたら、Hardness のつまみを少し左に回して好みの音になったら、それを自分専用の音色として、好きな名前を付けて保存しておくことができます。便利でしょう? これを90個ちょいぐらい作れるので、まぁ、ほぼ上限なしで作っておくことが出来るということですね。


ちなみに、DPiano-E って言うのもあって、そちらはエレピ音源です。Aは「Acoustic」の A で、Eは「Electric」の E ですね。



第8位!
<NST Pianos>
NST Piano
ADSR と Reverb と Volume と Panorama という非常にシンプルなつまみだけのコンパネですね。真ん中上部の窓みたいなところに「Instrument:NST Piano 0」と書かれていますよね。この音源は、NST Piano 0、1、2、3、4 と5つのプリセットがあるんです。

こちらの音は、「NST Piano 0」という Preset を用いた音です。聴いてみましょう。


音は、硬さ柔らかさが絶妙な塩梅で、どんな雰囲気の曲にもオールラウンドに使えそうな気がします。

この音源を使う際に、もの凄く重要な注意事項が一つあるんですが、この Plug-in のコンパネ上で Volume を小さくしてから使ってください。デフォルトでは、針が3時ぐらいの方向を向いているんですが、デフォルトのままだと、確実に音割れします。針が10時ぐらいの方向を向く所まで Volume を下げれば、音割れはしなくなります。なぜデフォルトが3時ぐらいの方向を向いているのか、とても不思議です。

上に貼ってある伴奏は、Volumeを小さくせずに録音した者なので、ところどころ音割れしていますね。

Plug-in 側で Volume を下げると言うことは、DAW側では Velocity やマスターボリュームを上げる必要が出てきます。右手パートも左手パートも、共にこの音源を使うのであれば大丈夫だと思いますが、もし、どちらかの手のパートで別のピアノ音源を使う場合には、そちらのボリュームも調整する必要があるかも知れません。

上に貼ってある伴奏は、「NST Piano 0」という Preset で、僕は結構気に入りましたが、Preset 1~4は、僕はあまり好きではありませんでした。と言うか「これはピアノの音じゃないだろう!」っていう個性的な Preset が多かったです。




第7位!
<Steinway Piano ( Keyzone Classic )>
Steinway
実は、この「Steinway Piano」は、「Keyzone Classic」って言う音源の中の Preset の一つです。上のコンパネ上では「PROGRAMS:」って書かれていますけど、「Preset」と同義と思って良いです。
 
「Steinway Piano」の他に「Yamaha Grand Piano」と「Keyzone Piano」という Preset があります。ただ、それぞれの音が全てあまりにも美しいので、この記事では、3つの Preset をそれぞれ別の音源として扱うことにしました。

コンパネには 結構たくさんのつまみやスライダーが付いてますね。でも、使うものはそんなに多くありません。まず、右側にあるLFOのスライダーはいじる必要はありません。これはシンセサイザーの音源で使うものなので、ピアノ音源では使いません。Detune と Velocity Curve は、何もいじらないことをお薦めします。ADSR の Attack はゼロ(一番左側にひねった状態)にしておきます。Sustain は好みの分かれるところだとは思いますが、僕は基本的にはいつも Max(一番右側にひねった状態)にしておきます。デフォルトもそうなっています。Sustain が Max の状態では、Decay は何も意味を持たないので、放っておいて下さい。デフォルトでは Max になっています。

結局、いじる所はせいぜい、Release、Volume、Reverb の3か所だけですね。



Steinway と言えば、言わずと知れた超高級ピアノメーカーですよね。この音源は、本物のSteinway Piano の音をサンプリングして作られたとのことです。ちなみに、本物の Steinway の Grand Piano は、モデルにもよりますが、2千万円以上します。

音を聴いてみて、いかがですか? これまでに聴いた音源とは別次元の奥行がある音だと思いませんか?

これを最初に聞いた時には、これ一つあれば、全て事足りるんじゃないかと思いました。でも、この音を使って色々な伴奏を作っていくうちに、一つ大きな欠点があることに気づきました。このピアノの音は、Velocity 47% のところで劇的に音色が変わるんです。46%までの音はとてもソフトなんですが、47%で一気に音がクリアになるんです。Velocty 47%以上の音が、本物の Steinway Piano をサンプリングした音なんだと思います。

「花は咲く」の伴奏を聴いてても分かりますね。前半の静かな部分はとてもソフトな音なのに、曲が盛り上がってくると一気にクリアな音に変わりますよね。ソフトな音もクリアな音もどちらも美しい音なのですが、これが一つの伴奏の中に混在していると、ちぐはぐな伴奏になってしまいます。

僕は Velocity 47% 以上のクリアな音が好きなので、この Steinway の音は Velocity 47% 以上専用に使おうと思います。ただし、小さい Velocity が使えないと言うのは、ニアリーイコール繊細な伴奏を作るのは無理ってことだと僕は思ってます。そして、繊細な伴奏を司るのは主に右手パートだと僕は思っているので、この Steinway の音源は右手パートには使えないと考えるに至りました。
でも、左手パートなら話は別です。少なくともバッキングとしての伴奏を作るのであれば(つまり、ピアノソロ演奏じゃないならば)、左手で極端に小さな音を出す機会は少ないような気がします。

要するに何が言いたいかというと、以下のような使い方をすれば、めちゃくちゃ綺麗な音色を堪能することが出来るんじゃないだろうか?と言うことなんです。
  • 左手パート限定。
  • Velocityは47%以上限定。(46%以下は使用禁止。)
  • その代わりにVolumeのつまみで音を小さくする。
実は、この音源を実際にこのような使い方をして作った伴奏が、一番最初にデモ伴奏として上げた「僕らの音」なのです。これは実は、DPiano-A の使い方の所で述べたことと全く一緒です。DPiano-A と この Steinway を比べると、もう比較にならないぐらい Steinway の音の方が奥行きがあります。これで、僕にとっては、DPiano-A を使うという選択肢は完全になくなりました。




ここから先は、凄く素敵な音源のオンパレードですよ。準備は良いですか?



第6位!
<DSK The Grand>
DSK the Grand
ADSR と Reverb と Volume という非常にシンプルなコンパネが良いですね。

音を聴いてみましょう。


どうでしょう? めっちゃクリアでいい音だと思いませんか? 僕は、この音源の音は凄く好きです。特に C3、C4 辺りの中高音域の音が好きですね。

まぁ、音の好みって人それぞれなので、「キンキンしている」と感じる人もいるかも知れないですけど。

僕的には、この音源はかなり推しです。


ちなみに、DSK Music というベンダーは、ギターとか、シンセとか、バイオリンとか、サックスとか、もうあらゆる楽器の無料音源を配布している仏様のようなベンダーです。このピアノの音質を聴くと、他の楽器の Plug-in もダウンロードしたくなってしまいますよね。



第5位!
<Keyzone Piano ( Keyzone Classic )>
Keyzone Piano
この「Keyzone Piano」は、第7位でご紹介した「Steinway Piano」同じく「Keyzone Classic」って言う音源の中の Preset の一つです。上のコンパネ上では「PROGRAMS:」って書かれていますけど、「Preset」と同義と思って良いです。

では、聴いてみましょう。


めちゃくちゃ綺麗な音色じゃないですか? 僕は、これまでにご紹介してきた音源とは別次元の奥行きの深さだと感じます。 例えばですが、第15位でご紹介した「City Piano」と比較してみてください。音の響きが桁違いでしょう?

ちなみに、冒頭でご紹介したデモ伴奏「僕らの音」の右手は、この Keyzone Piano を使っています。

この辺のランキングまで来ると、もはや僕が付けたランキングなんてほぼ意味を持たなくて、本当に個々人の好み次第で、どれも素晴らしい音なんです。でも一応、僕がなぜ第1位しなかったか、その理由を書きますね。本当に些細な問題なんです。
  1. まず、Velocty が 80% ぐらいの所で、突然、音が大きくなるのです。なので、実際に弾くときには、80%よりも小さいVelocity に抑えなくてはなりません。でも、そういう風に注意してVelocity を設定しさえすれば、特に問題は無いんです。本当に些細な問題でしょ? すいません(^^;;
  2. あと、これはもう本当に僕の好みの問題なんですが、僕の理想よりも残響が少し長すぎるんです。演奏を作っているときに、次の音が始まっても前の音が残り過ぎのような感じがするんですよね。なんとなく大きなコンサートホールで弾いているピアノのように感じるんです。Release をぎりぎりの所まで短くしても、それでも僕には余韻が長く感じるんですよねぇ。ほんと些細な問題ですいません。むしろ、このぐらい長い残響の方が好きな人は、たくさんいると思います。
  3. それから、むちゃくちゃ贅沢なことを言いますが、この音源、音が綺麗すぎるんです。リアルの世界にあるピアノで、ここまで音が透き通っているピアノは、たぶん無いんじゃないでしょうか? 音がクリア過ぎて、逆にちょっと不自然な感じがするんですよね。
こんなに綺麗な音色でも、第1位じゃないと言うことは、この先にご紹介するやつは、これと同等か、それ以上と言うことになります。わくわくしますね。



第4位!
<Skerratt London Piano>
20200214_Skerratt London Piano
ADSR と Panorama と Volume という非常にシンプルなコンパネですね。ちなみに、先に言えって感じですが、Panorama(Pan)って何かと言いますと、音を右側の耳に大きく聞こえるようにしたり、左側の耳に大きく聞こえるようにしたり、そういう調整をする機能です。当たり前のことですが、バンド演奏では、楽器は主に横に並んでいます。たいがい、左の前の方にギターがいて、左奥にピアノがいて、真ん中奥にドラムがいて、右側にベースがいて、真ん中の一番前にボーカルがいますよね。こういう場合は、ピアノを少し左に振る訳です。ピアノ単体の演奏の場合は、Panorama のつまみをいじる必要はありません。

話がそれてしまいましたが、Skerratt London Piano の音を聴いてみましょう。


アップライトピアノの音をサンプリングした音源のようですが、十分に重厚感がありますよね。まぁ、後から出てくる「Salamander Piano」ってやつは、もっと重厚ですけどね。 あっ...、いけね、先に言っちゃった。

DSK the Grand とか Keyzone Piano に比べると音がソフトですね。感じ方は人それぞれで「こもった音」と表現する人もいるかも知れませんが、僕はこの少しソフトな音色が、優しくて温かくて、堪らなく好きですね。僕に言わせると、この音源には一切の欠点がありません。曲の雰囲気にマッチしさえすれば、必ずや素晴らしい伴奏になると思います。




第3位!
<VSCO2 Piano>
VSCO2 Piano
第12位で紹介した「VSCO2 Upright 1 Piano」と同じベンダーが作ったものです。コンパネも全く同じですね。

音を聴いてみましょう。


これまでにご紹介したピアノ音源とは、まったく異質の音色だとは思いませんか? 音が極めてソフトなんですよね。この音は実在するピアノの音ではないと思います。DTMだからこそ作り出せる音色なんじゃないかなぁ。音をソフトにするエフェクトでローパスフィルター(別名ハイカットフィルター)って言うのがあるんですが、そのエフェクトを強力にかけた感じですかねぇ。

とにかく、音が凄く柔らかくて優しくて、聴いているとなんだか眠くなってしまいます。

でも、この音色って、曲を選びますね。「花は咲く」の伴奏は凄く素敵だけど、「愛をこめて花束を」の伴奏としては全く合いません。

これまでご紹介してきた音源とはカテゴリーが全く違うような感じですけど、でも、とっても優しい伴奏を作りたい時には、ぜひ使ってみたい音源です。




第2位!
< Yamaha Grand Piano ( Keyzone Classic )>
Yamaha Grand
この「Yamaha Grand Piano」は、前にご紹介した「Keyzone Classic」って言う音源の中の Preset の一つです。上のコンパネ上では「PROGRAMS:」って書かれていますけど、「Preset」と同義と思って良いです。

では、聴いてみましょう。


ビューティフル! ワンダフル! マーベラス!

僕はもう、あらゆる形容詞を使って、この音源を褒めたたえたいです。重厚感! 柔らかさとクリアさの融合! これぞ正にグランドピアノの音!

もはや、僕が何かを言う必要はないですね。音を聴いて頂ければ、全てが伝わると思います。僕は最初にこれを聴いた時から、「これこそ、最高のピアノ音源だ!」と思いました。

ただ、これが第1位ではない理由が一つあるのです。もしかしたら、音の確認の所で気づいた方もいるかも知れません。これまでにも、いくつかの音源で問題になっていた「Velocty による音色の変化」があるのです。

具体的には、Velocity 31% の所で音色が大きく変化します。30% まではこもった音なのですが、31% からクリアな音色に変わります。なので、この音源は Velocty 31% 以上で使う必要があります。

もう一点、Velocity 80% の所で音の大きさが急激に上がります。74% → 75% → ・・・ → 79% まではシームレスに音量が繋がっていくのですが、79% → 80% の所で、音がドカーンと大きくなるのです。なので、伴奏を作る際には、Velocity 79% 以下で使う必要があります。

結局、この音源を最大限有効に使いたければ、Velocity  31%~79% の範囲内で使用することを僕はお勧めします。非常にラッキーだったことは、音色が変わる場所が 30% という比較的小さい Velocity だったことと、Volume が突然大きく場所が 80% というかなり大きい Velocity だったことです。31%~79% というかなり広い範囲で Velocity を変化させることが出来るので、十分に抑揚のある伴奏を作ることが出来ます。

実はこの音源は、この記事の冒頭でご紹介したデモ伴奏の「愛をこめて花束を」の右手パートで使っています。その伴奏を作った時は既に 31%~79% の法則に僕は気づいていたので、その範囲内の Velocity で弾いています。

ぜひ、この素晴らしい音源をダウンロードして使ってください。




さぁ、とうとう、僕が選んだ 「The Best Free vst Plug-in for Piano」の発表です。



第1位!!!
<Salamander Piano>
20200413_Salamander Piano

ぜひ、音を聴いて下さい。



もう、非の打ち所がありません。僕には、この音源の欠点を見つけることは不可能です。

これは、Yamaha C5 Grand Piano というピアノの音をサンプリングして作られた音源です。しかも、16か所の Velocity でサンプルを取っているのです。だから、Velocity 10% ~ 100% まで、完全にシームレスに音の大きさが繋がっているんです。

ADSR を調節することによって、あらゆる曲調に合う伴奏を作り出せると思います。


実は、この音源を出しているベンダー bigcat instruments は、本当にたくさんの無料音源を作っています。実は今回ご紹介した17個のピアノ音源のうち以下の7個は bigcat instruments 製です。
  1. City Piano
  2. VSCO2 Upright 1
  3. Iowa Piano
  4. NST Pianos
  5. Skerratt London Piano
  6. VSCO2 Piano
  7. Salamander Piano
他にも、あらゆるアコースティックな楽器は、bigcat instruments でほとんど揃いいます。こちらのページ に70個の vst Plug-in が載っています。今回ご紹介したピアノ音源の中には、僕が気に入ったものも気に入らなかったものも色々ありましたが、もし将来、ピアノ以外の楽器の音源を探す際には、まずは bigcat 製のものを聴いてみようと思います。



【まとめ







ピアノ弾き語りレッスンの動画を見て、覚えておくこと

https://www.youtube.com/watch?v=xKs8_C2xe1s&list=PLqMoQkHWf7Ea-lpnwz2rsY8zgQE25zZyK


一つ目の動画「大人のピアノ入門」
  • ソロピアノは左手がコード、右手がメロディだけど、弾き語りは右手がコード、左手がベース。
  • 右手はトップノートがあまり上下しないように、コードを転回すること
  • 右手のコードが転回していても、左手のベースは常にルート音(コード表に書かれている音)
  • アルペジオのパターンの例.①ベース音+コード → ②ベース音のオクターブ上 → ③コードの一番下 → ④コードの真ん中 → ⑤コードの一番上
二つ目の動画「音符が苦手な方でもピアノが弾けるようになる方法」
  • Satie の Gymnopedie の左手は、GM7とDM7だけで構成されている。①ルート → ②他の3つの音 この繰り返し。
  • Alicia Keys - If I ain't got you のアルペジオパターンの例.①7thコードのルート音 → ①7thの7th → ②7thの5th → ③7thの3rd (三拍子だから、こんな感じ)
三つ目の動画「ペダルの使い方」
  • コードが変わる時にペダルを離す。DTMだと、コードが変わる時に、ノートを短くする感じかな。
四つ目の動画「弾き語りはじめの一歩」
  • 空も飛べるはずのコードは、凄く簡単。ほぼ白い鍵盤だけで弾ける。
  • リズムを決めて、右手と左手を交互に弾く。左手はルート音。右手がコード。
  • これにアルペジオを混ぜていく。
五つ目の動画「ピアノ弾き語りレッスン」

















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